兵庫県・神鍋を五感で味わいつくす旅。
もうすぐ記念日ということもあり彼女を旅行に誘ってみると、ハッと思い出したように「せっかくならアレ食べに行こうよ ! 」と提案が。以前、但馬牛を61部位食べ比べできる場所があると知人から聞いていた僕たちは、兵庫県の神鍋高原を目指すことにした。
緑に囲まれたツリーハウスで
61部位の但馬牛BBQを堪能
大阪から車を走らせ向かったのは、約2,000種もの植物が生息する「たじま高原植物園」。緑に囲まれたツリーハウスで、但馬牛を61部位食べ比べできるBBQという、ここでしかできない体験は記念日にぴったりだ。
BBQまで時間があったので、受付で植物園の見どころを訊ねてみる。「樹齢1,000年以上の大カツラがあるんですが、そのすぐそばに湧水が出ているので、よかったら汲んでみてください」とのことで、さっそく園内を散策してみることに。鳥のさえずりや川のせせらぎに耳を傾けながら歩き進め、トンネルを抜けるとその先には大迫力の大カツラが。
BBQまで時間があったので、受付で植物園の見どころを訊ねてみる。「樹齢1,000年以上の大カツラがあるんですが、そのすぐそばに湧水が出ているので、よかったら汲んでみてください」とのことで、さっそく園内を散策してみることに。鳥のさえずりや川のせせらぎに耳を傾けながら歩き進め、トンネルを抜けるとその先には大迫力の大カツラが。
太く、幾重にも連なるような幹に、青々と生い茂る苔。長い時の流れを感じさせる神秘的な姿に思わず圧倒される。冷たい湧き水で喉を潤しながら、暫くその場で二人ぼうっと大カツラに見入ってしまった。
神秘的な空気に後ろ髪を引かれつつも、緑に囲まれたツリーハウスに到着するとやはりワクワクがとまらない。「楽しみだね」と話していると、お待ちかねの但馬牛が運ばれてきた。
牛の形をした大きなプレートに、びっしりと並べられた61部位のお肉。事前に見ていた写真以上の迫力に、思わず「わあ ! 」と二人で顔を見合わせた。
ヒウチ、シキンボ、エンピツ…。初めて目にする部位に「どんな味なんだろう ! 」「これ気になる ! 」と盛り上がっていると、支配人の石原さんが特に珍しい部位を教えてくれた。
神秘的な空気に後ろ髪を引かれつつも、緑に囲まれたツリーハウスに到着するとやはりワクワクがとまらない。「楽しみだね」と話していると、お待ちかねの但馬牛が運ばれてきた。
牛の形をした大きなプレートに、びっしりと並べられた61部位のお肉。事前に見ていた写真以上の迫力に、思わず「わあ ! 」と二人で顔を見合わせた。
ヒウチ、シキンボ、エンピツ…。初めて目にする部位に「どんな味なんだろう ! 」「これ気になる ! 」と盛り上がっていると、支配人の石原さんが特に珍しい部位を教えてくれた。
「骨盤まわりのお肉である『めがね』は、骨に近い部分なので味がとても濃く、一頭から500グラムしか取れないんですよ。クセのあるものだと『チレ』、『直腸』も珍しいですね」
石原さんのおすすめは『タン』だそう。メジャーな部位かと思ったら、但馬牛は小型な牛のため、一般的なタンの2分の1しか取れず、なかなか味わえないものなのだとか。
話も盛り上がったところで、いよいよ実食 ! 「『チレ』ってプルプルしてるレバーみたい ! 」「次どこ食べる?」と、部位を追うごとに会話が止まらない。
石原さんのおすすめは『タン』だそう。メジャーな部位かと思ったら、但馬牛は小型な牛のため、一般的なタンの2分の1しか取れず、なかなか味わえないものなのだとか。
話も盛り上がったところで、いよいよ実食 ! 「『チレ』ってプルプルしてるレバーみたい ! 」「次どこ食べる?」と、部位を追うごとに会話が止まらない。
61部位をしっかり堪能しお腹いっぱいになった僕たち。「ここに決めて良かったね」と話しながら、宿泊先の「フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫神鍋高原」へと向かった。
自然豊かな神鍋山山頂でのんびり
ホテルにチェックインした後は、すぐ近くの神鍋山を散歩。この辺りは冬のシーズンになるとスキー場としても楽しまれているという。ホテルにはスキー板やスノーボードを置ける共同スペースもあり「次はスノボもいいね」と、彼女もすでに再訪が楽しみな様子。
神鍋火山群の活動期間は今から70万年前、なかでも神鍋山は2万2千年前に噴火した一番新しい火山で、山頂までは約20分ほど。但馬牛で満腹になっている僕たちにはちょうどいい運動だ。冬はスキー場になる斜面も、春は山菜採りができたりスイセンが咲いていたりとのどかな時間が流れている。
神鍋火山群の活動期間は今から70万年前、なかでも神鍋山は2万2千年前に噴火した一番新しい火山で、山頂までは約20分ほど。但馬牛で満腹になっている僕たちにはちょうどいい運動だ。冬はスキー場になる斜面も、春は山菜採りができたりスイセンが咲いていたりとのどかな時間が流れている。
展望台のベンチに腰かけ、大きな噴火口を眺めながら「こういうのんびり旅もいいよね」と、山頂の穏やかな風を楽しんだ。
エメラルドグリーンの滝壺で
時間を忘れるひととき
次の日は、ホテルの方から教えてもらった「八反(はったん)の滝」へ行ってみることに。あまり知られていない穴場でありながら、地域の方々にも一度は行くべきと支持されているらしい。
木々が生い茂る山道を下るとエメラルドグリーンの滝壺が目の前に広がった。その鮮やかな色彩と輝く水面に、思わずため息が出てしまう。「ここ、ずっと居られそう…」と彼女。僕も同じことを思っていた。穴場と聞いていただけあって人通りも少なく、滝の音と水面のきらめきを時間を忘れて味わった。
木々が生い茂る山道を下るとエメラルドグリーンの滝壺が目の前に広がった。その鮮やかな色彩と輝く水面に、思わずため息が出てしまう。「ここ、ずっと居られそう…」と彼女。僕も同じことを思っていた。穴場と聞いていただけあって人通りも少なく、滝の音と水面のきらめきを時間を忘れて味わった。
和の空間で味わう
地元の食材を使った郷土料理
滝を眺めながらのんびりしていると、いつの間にか昼食の時間に。お昼に向かったのはホテルの方のイチオシだという「和楽(わらく)」。郷土料理である豆腐蕎麦をはじめ、旬の食材を使った料理が楽しめるお食事処だ。風情ある店内に魅了されながら、「豆腐蕎麦ってどんなだろうね」と話していると、四代目の店主である小西さんが教えてくれた。
「『豆腐蕎麦』はこの辺りの郷土料理で、小麦粉の代わりに豆腐をつなぎにしたのが始まりです。豆腐の風味はもちろん、ふわっとした食感で冷たいお蕎麦として食べるのが一番美味しいんですよ」。
「『豆腐蕎麦』はこの辺りの郷土料理で、小麦粉の代わりに豆腐をつなぎにしたのが始まりです。豆腐の風味はもちろん、ふわっとした食感で冷たいお蕎麦として食べるのが一番美味しいんですよ」。
そんな話に期待が高まりながら一口啜ると、確かにふわっとやさしい食感 ! 「普通の蕎麦より好きかも ! 」と彼女も嬉しそう。
「『和楽』という名前の通り、“和の空間で和んで笑ってもらいたい”という想いでやっています」と小西さん。店内に飾られている絵や小物の数々は、地域で作品作りをしている方々が「ぜひ飾ってほしい」と持ってきてくれたんだそう。風情がありながらも、どこかあたたかい空気を感じたのはそういうことかと頷けた。
「『和楽』という名前の通り、“和の空間で和んで笑ってもらいたい”という想いでやっています」と小西さん。店内に飾られている絵や小物の数々は、地域で作品作りをしている方々が「ぜひ飾ってほしい」と持ってきてくれたんだそう。風情がありながらも、どこかあたたかい空気を感じたのはそういうことかと頷けた。
美味しいものを存分に味わい、ここだけの景色も堪能できた2日間。「なんだか、すっごい満足感 ! 」と、助手席で彼女が満面の笑み。振り返れば“花も団子も”な、僕たちらしい旅だったなと、はじめて訪れた神鍋がもうすっかり二人の居場所になっているのを感じた。