TRIP BASE STYLE

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BASE 13

偶然の出会いに
心を躍らせる居場所。

佐賀県嬉野市

時間はたっぷり。お散歩気分で気ままに過ごす佐賀・嬉野温泉の旅。

遠くからでも目を引く建物は、地元の人にも観光客にも人気の温泉施設「シーボルトの湯」。
器好きで全国の産地をめぐっている姉。「長崎の波佐見にはまだ行けてないんだよね、一緒にどう?」と声をかけてきた。私は器にあまり関心はなかったけど、泊まるのは“美肌の湯”で知られる嬉野温泉と聞いて乗り気に。
羽田から長崎空港までは約2時間、現地では路線バスを使って移動もできるそう。せっかくだしローカルな空気に浸るのもいいかもね ! と、あえてレンタカーは借りずに旅に出ることに。

嬉野温泉駅前にある道の駅におしゃれなカフェを発見 !

ホテルは嬉野温泉駅の目の前。周辺には温かい手湯や足湯など、温泉地ならではのおもてなしも。
宿泊先のフェアフィールド・バイ・マリオット・佐賀嬉野温泉は駅とバス停の目の前。
「道の駅 うれしのまるく」もすぐ側にあり、ここだけでもすでに楽しめそう !

観光・交流施設「まるくアイズ」で周辺情報をリサーチした後、「UPLIFT SHIMOJYUKU」を発見。この中に嬉野市の酪農家さんが手掛けているカフェがあるらしい。
ショップに並ぶ商品も食品や野菜、雑貨や器など幅広く、嬉野の魅力がぎゅっと集まっているよう。
「カフェラテとは違うね」「ミルクの奥にほんのりコーヒーが香る感じ ! 」と、初めての味に満足。外で楽しむのも気持ちいい。
オーナーの古田さんとともに運営を行っている酪農家、中島さんによると、「農家さんが作っている商品が多いですね。これまで売る場所がなかったり、新たに商品をつくり始めた人を応援していきたいと思って始めたんです」と想いを語ってくれた。カフェのおすすめメニューを尋ねると、その日搾りたての牛乳で抽出した“ミルクブリューコーヒー”とのことで、ミルクブリューティーとそれぞれオーダーしてみることに。

「市内にカフェの一号店があって、そちらは登録有形文化財の蔵をリノベーションしています」と中島さんに聞き、SNSで調べるとこちらも趣があって素敵なお店 ! 姉も私も迷わずブックマークした。

音楽に包まれる癒しのBarでほんのり心地いい気分に。

飾られているのは地元の方の絵だろうか。何気ないスペースにも暖かさを感じ、ほっこり。
カフェで旅の疲れも癒やされたので、周辺を散策してみることに。
昔ながらの建物がそこかしこに見られ、時間がゆっくり流れているよう。

通りがかったバスターミナルの絵に惹かれ、気分のままに立ち寄ってみる。「ちょうどバスが来るならどこか行ってみてもいいよね ! 」と時刻表を見てみると、次のバスは1時間後。「さすがにやめとこっか~」と笑い合えるのも、予定を詰め込まないローカル旅ならでは。
ベンチに腰かけながら周辺マップを検索すると、近くに面白そうなバーを発見 !
「Music Bar OOMURAYA」というお店で、極上の音響設備が備わった店内にはアナログレコードが3000枚もあるんだとか !
旅館のなかにありながらも、宿泊者以外も利用OKとのことでさっそく訪ねてみることに。
バーテンダー内村さんがカクテルを作る様子や、会話も楽しめるカウンター席。
生ビールに濃いめの抹茶を注ぎ、さらに上から生ビールを追加する、嬉野茶ビール。「お茶の香りがする ! すっきり飲みやすくておいしいよ」と姉。
バーテンダーの内村さんに嬉野ならではのおすすめを聞いてみると、「“嬉野茶ビール”というカクテルがありますよ」。ほろ苦い味らしいので、甘い方が好きな私は日向夏のカクテルに。
まだ時間が早いからか、他にお客さんはいない店内。普段はどんな雰囲気か尋ねると、「地元の方も多くて、よく観光客の方に話しかけているんですよ。社長は交流の場にしたいと考えていて、その通りのいい雰囲気になっていますね」とのこと。
好きなレコードを選んで流してもらうこともできるという。ジャケットで選んでみようかな…、これも新しい出会い。
「VIDEOTAPEMUSICというアーティストの方が、地元のみなさんと一緒に作った『嬉野チャチャチャ』って曲がありますよ、聴いてみますか?」。

内村さんがかけてくれた曲は心地よいリズムで、思わず身体もノッてしまう。振付もあるらしく、お店でこの曲がかかると皆で踊るのが定番なんだとか。いつか地元のお客さんと踊りたいねと話しながら、音楽に浸るひとときを楽しんだ。
夜の温泉街をぶらぶらするのも、贅沢な時間の使い方。ほろよいで歩きながらホテルへ。
お店を出て温泉街を歩いていると、きれいな夕焼け。「明日もいい日になりそう」そんな予感に包まれながら、1日目を終えた。

レトロな風情の温泉施設で地元の人と一緒に“ゆっつら”。

ホテル内の「マーケットプレイス」で販売されている九州の地域食材をつかった冷凍パン。トースターで焼くと小麦の香りがさらに豊かに。
気持ちよく朝を迎えた私たちは、朝食を1階のテラスで。2日目は波佐見町へ向かう予定だけど、「昨日見かけた温泉、入ってみたいよね」と、今日の気分で朝風呂を予定に追加する。
嬉野温泉は日本三大美肌の湯の一つ。ぬめりのあるお湯で湯上りの肌がつるつるに。
「嬉野温泉公衆浴場 シーボルトの湯」まではバスと徒歩で15分ちょっと。券売機で入場券を買って、いざ大浴場へ。「券売機に”出前”ってあったね。あれ、なんだろう」と話していると、居合わせたおばあちゃんが「地元の飲食店の出前が取れて、大広間で食べれるんよ」と教えてくれた。こういうエピソードを聞けるのが、ローカル旅のおもしろいところだ。
ロビーでまったり、極楽気分♪湯上りに飲む牛乳はやけにおいしく感じる。
2階には嬉野温泉やシーボルトの湯の歴史を伝える展示ギャラリーも。町のあちこちで見かけるキャラクターの名前がゆっつらくんだということもわかった。「ゆっつらってなんですか?」と施設の方に尋ねると「“ゆっくり”って意味ですよ。ゆっつら~なんて言ったりしますね」。「それでは、私たちもゆっつら行きますか」とシーボルトの湯を後にした。

作り手の想いも届ける
個性豊かな波佐見のショップへ。

いつもと違うのどかな景色を眺めながらバスに揺られるのも、普段できない体験 ! なんだか新鮮で楽しい。
のんびり朝風呂を満喫した後は、お目当ての波佐見町へ。たくさんの窯元やギャラリーが点在するなかで、目指すは西の原エリア。以前は江戸時代から続く窯元が営む製陶所だったが、今はその建物を利用した雑貨店やカフェが集まっているらしい。
西の原までは路線バスで約15分。到着すると、懐かしい雰囲気の建物に、緑が生い茂る小道が続き、マーケットというよりも小さな町のような雰囲気 !
早速お店に入ろうと思っていたけど、まずは散歩を楽しんでみる。
趣のある建物に入った個性的なショップが立ち並ぶ。「ここを曲がったら何があるかな?」と、ちょっとした冒険気分。
一つひとつ選び抜かれた商品ばかり。それに応えるようにじっくり向き合うお客さんが多いという。※撮影は仮店舗での営業時。
いろんなお店の前を巡って、まずは生活雑貨を扱う「HANAわくすい」へ。日本各地や海外からセレクトした、作り手の顔が見えて長く使えるアイテムがそろっている。

素敵なお皿だなと眺めていると、店長の森村さんが「ガラスアーティストさんとコラボした波佐見焼ですよ」と紹介してくれた。縁のカラーラインも一つひとつ丁寧に手塗りされており、ついうっとり見入ってしまう。眺めているだけではわからない背景まで知ることができるのがうれしい。
その後は、散歩をしながら見つけたカフェレストラン「モンネ・ルギ・ムック」でランチタイム。懐かしい雰囲気の建物や野菜たっぷりの料理、そして何より器の使い方がとっても素敵 ! 2人が注文した同じメニューも、それぞれ柄や形の違う波佐見焼に盛り付けられていた。「器が変わるとまったく印象が違うね」と、この後のお店巡りも一層楽しみに。
3種類から選べるごはんものに、サラダとドリンクが付くランチセット。ここでもつい、器に惚れ惚れ。
 製陶所の出荷事務所として使用されていた倉庫を改装したという、雰囲気のある店構え。
お腹いっぱいになったあとは、「南創庫」へ。波佐見焼の8つのブランドがそろう店内には、まったく印象の異なる器が並んでいる。

スタッフの鶴さんによると、以前は作り手が中心の町だった波佐見町も、ここ10年ほどでショップやギャラリーが増えていったという。
「そんな話を聞きつけて、足を運んでくれる人も増えましたね」と話す鶴さんに「私のことだ ! 」と少しはにかむ姉。
波佐見焼は決まった形がなく、店内だけでも個性的なデザインがたくさん。新しいものを取り入れることにも柔軟で、今も移り変わっているという。
「『HANAわくすい』でも買ったから、厳選する ! 」なんて言ってたのに、いざ目の前にするとあれもこれも欲しくなる… !
考え込む私に、「器は一期一会 ! ときめいたなら買っとかないと、後悔するよ~?」と笑う姉。このあと我が家の器が途端に充実したのは、言うまでもない。
姉に誘われるがまま始まった嬉野の旅も、まもなく終わり。予定を詰め込まずゆったり過ごしたはずなのに、いろんな偶然の出会いが重なってあっという間の2日間だった。
実物にたくさん触れると、手に取った時のしっくり感まで迷いどころに。時間はたっぷりあるけど、それでも足りないかも… !
ローカルな空気をたっぷり味わったからか、姉も私もすっかり嬉野が第二の地元気分。今度は『嬉野チャチャチャ』も覚えて行こう ! と、二人で笑い合いながら帰路についた。

旅のスナップ

今回のスポット紹介

UPLIFT SHIMOJYUKU

佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿甲4763-1
0954-43-6510

Music Bar OOMURAYA

佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙848 大村屋1階 湯けむりラウンジ内
0954-43-1234

嬉野温泉公衆浴場 シーボルトの湯

佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙818-2
0954-43-1426

HANAわくすい

長崎県東彼杵郡波佐見町井石郷2187-4
0956-85-8155

モンネ・ルギ・ムック

長崎県東彼杵郡波佐見町井石郷2187-4
0956-85-8033

南創庫

長崎県東彼杵郡波佐見町井石郷2187-4
0956-76-7214

佐賀嬉野温泉

を拠点に楽しめる体験
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フェアフィールド・バイ・マリオット・佐賀嬉野温泉

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ここがオススメ

  • 西九州新幹線「嬉野温泉駅」、「道の駅 うれしの まるく」が隣接
  • 日本三大美肌の湯「嬉野温泉」の街まで車やバスで5分の立地
  • ロビーラウンジには、お飲み物やトースター、電子レンジなども完備
  • 大人の方1名様につき、小学生以下のお子様1名様の無料添い寝が可能
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