時間はたっぷり。お散歩気分で気ままに過ごす佐賀・嬉野温泉の旅。
器好きで全国の産地をめぐっている姉。「長崎の波佐見にはまだ行けてないんだよね、一緒にどう?」と声をかけてきた。私は器にあまり関心はなかったけど、泊まるのは“美肌の湯”で知られる嬉野温泉と聞いて乗り気に。
羽田から長崎空港までは約2時間、現地では路線バスを使って移動もできるそう。せっかくだしローカルな空気に浸るのもいいかもね ! と、あえてレンタカーは借りずに旅に出ることに。
羽田から長崎空港までは約2時間、現地では路線バスを使って移動もできるそう。せっかくだしローカルな空気に浸るのもいいかもね ! と、あえてレンタカーは借りずに旅に出ることに。
嬉野温泉駅前にある道の駅におしゃれなカフェを発見 !
宿泊先のフェアフィールド・バイ・マリオット・佐賀嬉野温泉は駅とバス停の目の前。
「道の駅 うれしのまるく」もすぐ側にあり、ここだけでもすでに楽しめそう !
観光・交流施設「まるくアイズ」で周辺情報をリサーチした後、「UPLIFT SHIMOJYUKU」を発見。この中に嬉野市の酪農家さんが手掛けているカフェがあるらしい。
「道の駅 うれしのまるく」もすぐ側にあり、ここだけでもすでに楽しめそう !
観光・交流施設「まるくアイズ」で周辺情報をリサーチした後、「UPLIFT SHIMOJYUKU」を発見。この中に嬉野市の酪農家さんが手掛けているカフェがあるらしい。
オーナーの古田さんとともに運営を行っている酪農家、中島さんによると、「農家さんが作っている商品が多いですね。これまで売る場所がなかったり、新たに商品をつくり始めた人を応援していきたいと思って始めたんです」と想いを語ってくれた。カフェのおすすめメニューを尋ねると、その日搾りたての牛乳で抽出した“ミルクブリューコーヒー”とのことで、ミルクブリューティーとそれぞれオーダーしてみることに。
「市内にカフェの一号店があって、そちらは登録有形文化財の蔵をリノベーションしています」と中島さんに聞き、SNSで調べるとこちらも趣があって素敵なお店 ! 姉も私も迷わずブックマークした。
「市内にカフェの一号店があって、そちらは登録有形文化財の蔵をリノベーションしています」と中島さんに聞き、SNSで調べるとこちらも趣があって素敵なお店 ! 姉も私も迷わずブックマークした。
音楽に包まれる癒しのBarでほんのり心地いい気分に。
カフェで旅の疲れも癒やされたので、周辺を散策してみることに。
昔ながらの建物がそこかしこに見られ、時間がゆっくり流れているよう。
通りがかったバスターミナルの絵に惹かれ、気分のままに立ち寄ってみる。「ちょうどバスが来るならどこか行ってみてもいいよね ! 」と時刻表を見てみると、次のバスは1時間後。「さすがにやめとこっか~」と笑い合えるのも、予定を詰め込まないローカル旅ならでは。
昔ながらの建物がそこかしこに見られ、時間がゆっくり流れているよう。
通りがかったバスターミナルの絵に惹かれ、気分のままに立ち寄ってみる。「ちょうどバスが来るならどこか行ってみてもいいよね ! 」と時刻表を見てみると、次のバスは1時間後。「さすがにやめとこっか~」と笑い合えるのも、予定を詰め込まないローカル旅ならでは。
ベンチに腰かけながら周辺マップを検索すると、近くに面白そうなバーを発見 !
「Music Bar OOMURAYA」というお店で、極上の音響設備が備わった店内にはアナログレコードが3000枚もあるんだとか !
旅館のなかにありながらも、宿泊者以外も利用OKとのことでさっそく訪ねてみることに。
「Music Bar OOMURAYA」というお店で、極上の音響設備が備わった店内にはアナログレコードが3000枚もあるんだとか !
旅館のなかにありながらも、宿泊者以外も利用OKとのことでさっそく訪ねてみることに。
バーテンダーの内村さんに嬉野ならではのおすすめを聞いてみると、「“嬉野茶ビール”というカクテルがありますよ」。ほろ苦い味らしいので、甘い方が好きな私は日向夏のカクテルに。
まだ時間が早いからか、他にお客さんはいない店内。普段はどんな雰囲気か尋ねると、「地元の方も多くて、よく観光客の方に話しかけているんですよ。社長は交流の場にしたいと考えていて、その通りのいい雰囲気になっていますね」とのこと。
「VIDEOTAPEMUSICというアーティストの方が、地元のみなさんと一緒に作った『嬉野チャチャチャ』って曲がありますよ、聴いてみますか?」。
内村さんがかけてくれた曲は心地よいリズムで、思わず身体もノッてしまう。振付もあるらしく、お店でこの曲がかかると皆で踊るのが定番なんだとか。いつか地元のお客さんと踊りたいねと話しながら、音楽に浸るひとときを楽しんだ。
内村さんがかけてくれた曲は心地よいリズムで、思わず身体もノッてしまう。振付もあるらしく、お店でこの曲がかかると皆で踊るのが定番なんだとか。いつか地元のお客さんと踊りたいねと話しながら、音楽に浸るひとときを楽しんだ。
お店を出て温泉街を歩いていると、きれいな夕焼け。「明日もいい日になりそう」そんな予感に包まれながら、1日目を終えた。
レトロな風情の温泉施設で地元の人と一緒に“ゆっつら”。
気持ちよく朝を迎えた私たちは、朝食を1階のテラスで。2日目は波佐見町へ向かう予定だけど、「昨日見かけた温泉、入ってみたいよね」と、今日の気分で朝風呂を予定に追加する。
「嬉野温泉公衆浴場 シーボルトの湯」まではバスと徒歩で15分ちょっと。券売機で入場券を買って、いざ大浴場へ。「券売機に”出前”ってあったね。あれ、なんだろう」と話していると、居合わせたおばあちゃんが「地元の飲食店の出前が取れて、大広間で食べれるんよ」と教えてくれた。こういうエピソードを聞けるのが、ローカル旅のおもしろいところだ。
2階には嬉野温泉やシーボルトの湯の歴史を伝える展示ギャラリーも。町のあちこちで見かけるキャラクターの名前がゆっつらくんだということもわかった。「ゆっつらってなんですか?」と施設の方に尋ねると「“ゆっくり”って意味ですよ。ゆっつら~なんて言ったりしますね」。「それでは、私たちもゆっつら行きますか」とシーボルトの湯を後にした。
作り手の想いも届ける
個性豊かな波佐見のショップへ。
のんびり朝風呂を満喫した後は、お目当ての波佐見町へ。たくさんの窯元やギャラリーが点在するなかで、目指すは西の原エリア。以前は江戸時代から続く窯元が営む製陶所だったが、今はその建物を利用した雑貨店やカフェが集まっているらしい。
西の原までは路線バスで約15分。到着すると、懐かしい雰囲気の建物に、緑が生い茂る小道が続き、マーケットというよりも小さな町のような雰囲気 !
早速お店に入ろうと思っていたけど、まずは散歩を楽しんでみる。
早速お店に入ろうと思っていたけど、まずは散歩を楽しんでみる。
いろんなお店の前を巡って、まずは生活雑貨を扱う「HANAわくすい」へ。日本各地や海外からセレクトした、作り手の顔が見えて長く使えるアイテムがそろっている。
素敵なお皿だなと眺めていると、店長の森村さんが「ガラスアーティストさんとコラボした波佐見焼ですよ」と紹介してくれた。縁のカラーラインも一つひとつ丁寧に手塗りされており、ついうっとり見入ってしまう。眺めているだけではわからない背景まで知ることができるのがうれしい。
素敵なお皿だなと眺めていると、店長の森村さんが「ガラスアーティストさんとコラボした波佐見焼ですよ」と紹介してくれた。縁のカラーラインも一つひとつ丁寧に手塗りされており、ついうっとり見入ってしまう。眺めているだけではわからない背景まで知ることができるのがうれしい。
その後は、散歩をしながら見つけたカフェレストラン「モンネ・ルギ・ムック」でランチタイム。懐かしい雰囲気の建物や野菜たっぷりの料理、そして何より器の使い方がとっても素敵 ! 2人が注文した同じメニューも、それぞれ柄や形の違う波佐見焼に盛り付けられていた。「器が変わるとまったく印象が違うね」と、この後のお店巡りも一層楽しみに。
お腹いっぱいになったあとは、「南創庫」へ。波佐見焼の8つのブランドがそろう店内には、まったく印象の異なる器が並んでいる。
スタッフの鶴さんによると、以前は作り手が中心の町だった波佐見町も、ここ10年ほどでショップやギャラリーが増えていったという。
「そんな話を聞きつけて、足を運んでくれる人も増えましたね」と話す鶴さんに「私のことだ ! 」と少しはにかむ姉。
スタッフの鶴さんによると、以前は作り手が中心の町だった波佐見町も、ここ10年ほどでショップやギャラリーが増えていったという。
「そんな話を聞きつけて、足を運んでくれる人も増えましたね」と話す鶴さんに「私のことだ ! 」と少しはにかむ姉。
「『HANAわくすい』でも買ったから、厳選する ! 」なんて言ってたのに、いざ目の前にするとあれもこれも欲しくなる… !
考え込む私に、「器は一期一会 ! ときめいたなら買っとかないと、後悔するよ~?」と笑う姉。このあと我が家の器が途端に充実したのは、言うまでもない。
考え込む私に、「器は一期一会 ! ときめいたなら買っとかないと、後悔するよ~?」と笑う姉。このあと我が家の器が途端に充実したのは、言うまでもない。
姉に誘われるがまま始まった嬉野の旅も、まもなく終わり。予定を詰め込まずゆったり過ごしたはずなのに、いろんな偶然の出会いが重なってあっという間の2日間だった。
ローカルな空気をたっぷり味わったからか、姉も私もすっかり嬉野が第二の地元気分。今度は『嬉野チャチャチャ』も覚えて行こう ! と、二人で笑い合いながら帰路についた。