広島県・世羅で幻想的な世界に浸る旅。
最近観た映画に出てきた、夢のようにきれいな世界が頭から離れない。私もどこか、幻想的な場所に行ってみたいなあと思っていたところ、まるでスクリーンの中に入り込んだかのような気分になれる「世羅高原農場」という場所をSNSで発見 ! さっそく友人を誘い、土日の天気を確認して広島行きの飛行機を予約した
まるで異世界に来たよう。
一面に広がる花畑に酔いしれる。
広島空港に到着し、車で向かったのは世羅郡世羅町。のどかな場所で、窓を開けてのドライブも気持ちいい。1時間ほどで、チューリップが見頃の「世羅高原農場」に到着。園内に入ると、一面に広がるチューリップ畑に大感動 !
写真を撮ろうとしていると、「畝(うね)の間に入って大丈夫ですよ」とスタッフの榊原さんが声をかけてくれた。「外から見るだけの農園さんも多いですが、うちの特徴は畝の間に入って四方八方お花に囲まれながら写真を撮ったり、お花をより近くで見られるところなんです」。
実際に畝の間を歩いてみたり、しゃがんでみたりすると、チューリップのいい香りが。「このチューリップの色、本当に綺麗 ! 」「私はこっちが好き」と話しながらおとぎ話のような世界に浸った。
実際に畝の間を歩いてみたり、しゃがんでみたりすると、チューリップのいい香りが。「このチューリップの色、本当に綺麗 ! 」「私はこっちが好き」と話しながらおとぎ話のような世界に浸った。
「光の加減でお花の見え方も変わるんです。午前中もおすすめですが、夕方の西日に照らされたチューリップはもっとやわらかな雰囲気になってとても美しいですよ。ネモフィラは開園直後より、日中の方がお花がグッと開くのでより色鮮やかに見えると思います」と榊原さん。
次の日の朝一にネモフィラを見に行こうとしていたけれど、「日中の方が綺麗ならこのあと行こう ! 」と、ネモフィラが咲くFlower village花夢の里へ。
次の日の朝一にネモフィラを見に行こうとしていたけれど、「日中の方が綺麗ならこのあと行こう ! 」と、ネモフィラが咲くFlower village花夢の里へ。
足を踏み入れた瞬間心を奪われる、見渡す限りの美しいネモフィラ。畝の間に入って花畑の真ん中で大きく息を吸うと、まるで別世界。時間の流れも変わったように感じる。
世羅町は、沿岸部に比べて日中と朝晩の寒暖差が大きいため、1年を通してさまざまなお花を長く楽しめるそう。「次は違う季節にも来たいね」と花畑を後にし、楽しい旅はつづく。
世羅町は、沿岸部に比べて日中と朝晩の寒暖差が大きいため、1年を通してさまざまなお花を長く楽しめるそう。「次は違う季節にも来たいね」と花畑を後にし、楽しい旅はつづく。
風情ある宿坊で味わう
世羅産のこだわりのお茶。
街の方へ車を走らせていると、友人が地図上で「日本茶カフェ」なるものを発見。広島県指定史跡の今高野山(いまこうやさん)の参道にあり、170年前に建てられた宿坊を修繕した「雪月風花 福智院」というお店らしい。
暖簾をくぐって店内に入ると、これぞ日本の奥ゆかしい佇まい…という雰囲気。窓際の席は開放的で光が差し込み、青々とした木が心を落ち着かせてくれる。
暖簾をくぐって店内に入ると、これぞ日本の奥ゆかしい佇まい…という雰囲気。窓際の席は開放的で光が差し込み、青々とした木が心を落ち着かせてくれる。
お茶の種類が豊富で迷っていると、オーナーの吉宗さんが「春は山菜など苦味のあるものを摂ると、冬に眠っていた体が目覚めると言われているので、少し渋みのある『清茶』がおすすめですよ」と教えてくれた。
なかでも私が気になったのは、「TEA FACTORY GEN 」というお茶農家さんの『広島在来茶』。世羅はかつてはお茶の名産地だったものの、農業の多角化や後継者不足で多くの茶畑が放置されてしまっていたそう。この地で無肥料・無農薬のお茶作りに励む作り手だと聞き、私も応援したい気持ちに。
なかでも私が気になったのは、「TEA FACTORY GEN 」というお茶農家さんの『広島在来茶』。世羅はかつてはお茶の名産地だったものの、農業の多角化や後継者不足で多くの茶畑が放置されてしまっていたそう。この地で無肥料・無農薬のお茶作りに励む作り手だと聞き、私も応援したい気持ちに。
「色味も香りも全く違うね ! 」と、友人とシェアしながら飲み比べ。こんなにじっくりと味わいたくなるお茶は初めてで、つい長居してしまった。
夜は「フェアフィールド・バイ・マリオット・広島世羅」に宿泊。幻想的なお花畑に、凛とした雰囲気漂う日本茶カフェ…異世界を巡ったような一日を振り返りながら、ゆっくりと夢の中へ。
夜は「フェアフィールド・バイ・マリオット・広島世羅」に宿泊。幻想的なお花畑に、凛とした雰囲気漂う日本茶カフェ…異世界を巡ったような一日を振り返りながら、ゆっくりと夢の中へ。
神秘的なパワーを感じる“出世神社”
翌日、「さっきフロントの方にパワースポットを教えてもらったから行こうよ ! 」と興味津々の友人。 “出世神社”と呼ばれている「大成龍(だいじょうりゅう)神社」へと向かってみることに。
車を降りて鳥居をくぐると、神秘的な空気感が漂う。「なんかご利益ありそうな雰囲気だね… ! 」と話していると、「こんにちは」と氏子の木村さんが声をかけてくれた。
車を降りて鳥居をくぐると、神秘的な空気感が漂う。「なんかご利益ありそうな雰囲気だね… ! 」と話していると、「こんにちは」と氏子の木村さんが声をかけてくれた。
木村さんによると、ここに“出世の神様がいる”と言われているのは、大妻女子大を創設した大妻コタカさんの生家があったり(ダム建設前)、地域から弁護士や社長が輩出されているからだそう。
「龍は水に縁があると言われていて、誰かがこの神農湖を“真上から見ると龍の形をしてる”と言ったんですよ。ちょうどお腹の位置に神社があることも、パワースポットの所以のようです」と教えてくれた。
「龍は水に縁があると言われていて、誰かがこの神農湖を“真上から見ると龍の形をしてる”と言ったんですよ。ちょうどお腹の位置に神社があることも、パワースポットの所以のようです」と教えてくれた。
去年は絵馬だけで1万3000枚ほどあり、御礼参りの方を含めると5万人は来ているのではないかとのこと。「すぐに効果があるみたいで、御礼参りの人も多いです。なかには車で帰っていたらもう願いが叶ったって言って、御礼参りに来たなんて人もいました」。
大成龍神社のパワーを感じながら絵馬に願いを書き、想いを込めて絵馬掛けに吊るした。
大成龍神社のパワーを感じながら絵馬に願いを書き、想いを込めて絵馬掛けに吊るした。
幻想的な景色に惹かれて今回訪れた世羅のまち。見るだけでも楽しいけれど、地域の方と話すことで味わいが変わり、旅の地に思い入れが深まった2日間だった。「お礼参りのときは、ちがう季節で楽しめるね」「明日には叶っちゃうかもよ?」なんて笑いながら、これからいろんな節目に訪れたくなる居場所ができたことを、幸せに感じていた。