三重・熊野古道みはまで、リフレッシュ旅。
夫婦2人で仕事に追われた数ヶ月。「久しぶりに大自然の中でリラックスしたいよね」と夫の提案で、三重の瀞峡へ行くことに。思い立って決めた旅だけど、大阪在住の私たちには車で約3時間の距離もちょうどいい。
瀞峡へ到着。
カヤックに乗って、自然と一体に。
到着してすぐに体験したのは、今回の旅のメイン、瀞峡でのカヤック。青々とした水面の写真を見て、ここだけは絶対に行きたい ! と盛り上がって即予約を入れた。カヤックは貸し出ししてくれるので、濡れても良い服装をしておけば手ぶらで行けるのもうれしい。
ここではカヤック以外にSUPもできるそう。ガイドさん曰く、「SUPは立ってするものだと思われがちだけど、先日ガイドをしたお客さんはただただ寝転がっているだけだった」とのこと。そんな楽しみ方もできるなんて、まさに大自然でリラックスするにはぴったりの場所だ。
コバルトブルーの神秘的な水面、生い茂る緑、幻想的な岩...。360度、自然の美しさに囲まれながら深呼吸すると、心も身体もスッキリと澄み渡るようだった。
コバルトブルーの神秘的な水面、生い茂る緑、幻想的な岩...。360度、自然の美しさに囲まれながら深呼吸すると、心も身体もスッキリと澄み渡るようだった。
「こんなに美しい川で流れも穏やかなのに、水遊びをする人たちはまだ少ないんです。観光船もありますし、瀞峡での過ごし方が今後もっと広がってほしいですね」というガイドさん。
次は、SUPなどの違うアクティビティに挑戦しようと、早くも再訪が楽しみになってしまった。
次は、SUPなどの違うアクティビティに挑戦しようと、早くも再訪が楽しみになってしまった。
小腹が空いたのでガイドさんにおすすめを聞いてみると「この地域の郷土料理は、お寿司なんですよ」とのこと。せっかく時間のある旅だからと、何軒か回ってみることに。
知る人ぞ知る、
幻の寿司。
まず訪れたのは、昭和22年創業の「東宝茶屋」。ここでしか食べられない、幻ともいわれる30年物の「なれずし」をオーダー。なれずしは、塩漬けした魚と米を漬け込んで発酵させたお寿司…のはずが、30年ともなると発酵が進み液状の姿に。やや緊張しながら口に運ぶと、ぬか漬けのような風味で、意外とクセがなく味わい深い ! ここ数年はヨーロッパの観光客も多く訪れ、チーズに慣れている食文化の背景から、特に発酵年数が進んだなれずしの人気が高いそう。
「美味しく食べてもらえるように、なれずし初心者のお客さんには、発酵が浅く食べやすいものを。鮒寿司好きのお客さんには、長期間発酵された一品を提案している」と教えてくれ、「どちらが好み?」と私たち夫婦のリクエストにも笑顔で応えてくれた。
加えて、「この地域と言えばさんまのなれずしという印象が強いですが、実はこの地域では新鮮な鮎が昔からよくとれるので、さんまのなれずしよりも先に鮎のなれずしを創業当初から握っています。うちにきたら、是非鮎を堪能して欲しい ! 」と語る大将。
加えて、「この地域と言えばさんまのなれずしという印象が強いですが、実はこの地域では新鮮な鮎が昔からよくとれるので、さんまのなれずしよりも先に鮎のなれずしを創業当初から握っています。うちにきたら、是非鮎を堪能して欲しい ! 」と語る大将。
地域に愛される、
職人の味。
次に向かったのがさんま寿司で有名な「徐福寿司」。地元の人からも「さんま寿司なら絶対ここ ! 」という絶大な支持を得ている老舗店。美味しさの秘密は?と大将に聞くと、「ずばり塩抜き加減」と教えてくれた。塩抜き加減の調整ができるのが長年の職人技。手間暇かけた工程で行うため、家庭で作ったとしても絶対に同じ味にはならないのだとか。
旅先の、
ささやかな幸せ。
お腹いっぱいになってホテルにチェックイン。部屋に入ってみると、なんと運良く海が見える部屋 ! 二人で明日は早起きして朝日を見に行ってみようか、とさらなる旅の楽しみもできた。
そして翌日、少し早起きしてホテルの目の前のビーチへ。
そして翌日、少し早起きしてホテルの目の前のビーチへ。
仕事で忙しく、慌ただしい日々。変わらぬ毎日を送れていること自体が、実は一番の幸せなのかもしれない。ただ、大自然とひとつになれるお気に入りの居場所を持っておくことで、こんなにも心と体が軽くなる——。
朝日を見ながら「また帰ってこようね」と夫と約束。美しい景色と溶け合っていくひとときも、素敵な思い出になった旅だった。